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復興へ歩み始めた浪江町 年末年始


除夜の鐘を突く住民ら=大聖寺

 東京電力福島第1原発事故により避難区域を抱える双葉郡のうち最も人口が多い浪江町で年末年始、さまざまな催しが行われた。昨年3月末に帰還困難区域を除く地域の避難指示が解除されたが、町民約1万8千人のうち、町内で暮らす人は440人・いわき市への避難者は3232人(2017年11月末現在)。復興へ向けて歩み始めた町の様子をルポする。
 12月31日午前。人影がまばらな町の中心部、権現堂の浪江神社(高橋弘幸宮司)では、7年ぶりに初詣の参拝客を迎える準備が行われた。東日本大震災当時にゆがみが生じたままの社殿に高橋宮司が幕を張り、立ち入り禁止のロープを外した。社殿の修復は早くても今年いっぱいかかる見通しで、高橋宮司は「修復して初めて第一歩となる。今はまだ復興という感じがしない」と話した。
 「ゴーン、ゴーン」。この日の正午前、町内に除夜の鐘が響き渡った。県内外から集まる町民の利便性や安全に配慮して、日中に突く除夜の鐘を企画した北幾世橋の大聖寺(青田敦郎住職)。境内には多くの町民らが訪れ、交代で97人が鐘を突いた。
  津波で自宅が全壊し、避難先の栃木県鹿沼市から、夫昇さん(75)、長男雅義さん(48)、孫で高校1年の結さん(15)とともに訪れた無職渡部秀子さん(70)は「知らない土地での暮らしで落ち着かない日々だったが、鐘を突いて気持ちがすっきりした。家族が平穏で健康な年になってもらいたい」と願いを込めた。
 福島市に避難している青田住職は今春には住居をリフォームし帰町する予定で「避難している町民が一時帰宅の際に立ち寄れるランドマークのような存在になれたらうれしい」と話した。
 元日の午前5時の浪江町役場脇の仮設商店街「まち・なみ・まるしぇ」。ウォーキングを楽しみながら初日の出を拝むイベントに多くの町民が集った。コースは海から約1キロ離れた高台の大平山霊園までの約3キロ。懐中電灯や照明の明かりを頼りに、凍った道路を踏みしめた。
 同イベントは町民の体力と健康増進を図るために1980年に始まり、震災で中断。今年、7年ぶりに復活した。同霊園ではトン汁が振舞われたほか干支の戌のキーホルダーがプレゼントされた。
 実行委員会によると参加者は約100人。水平線が赤く染まると津波被害を受けた浪江町立請戸小校舎の上から太陽が姿を現し、歓声が上がった。この後、川添芸能保存会が神楽を披露した。
 南相馬市原町区の仮設住宅に避難している自営業東海林サチ子さん(61)は「止まっていた時間が動き始めた気持ち。近所の人も帰町しておらず、まだ戻れるめどは立っていないが町の復興を応援したい」と気持ちを新たにした。

編集者: まのめ  日付:18年1月30日

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