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カフェサーフィンが復活 薄磯に7年7カ月ぶり


7年7カ月ぶりに平薄磯地区でカフェ「サーフィン」を再開した鈴木さん(右から2人目)

 薄磯海水浴場を一望し、地区民らに人気だった平薄磯のカフェ「サーフィン」が11日、7年7カ月ぶりに復活した。新しい店は、東日本大震災の津波で全壊した海沿いの店から約300㍍内陸に移転。かつて窓から見えた海は防災緑地に遮られ、店の周辺は整地が広がる。「違う町さ来たみてえな感じだけど、人が戻ってくれば、徐々に(印象は)変わってくっぺね」。店主の鈴木富子さん(65)が期待と不安を胸に再出発した。
 同店は、子どもたちの「ただいま」の声を毎日、聞くことができる生活がしたいと、鈴木さんが1981年2月にオープン。パッチワークや人形などの雑貨作りが好きで、浜で拾った流木やガラス玉、貝殻などもインテリアに取り入れて店内に飾った。
 夏の繁忙期には、水着姿の若者や、夜の散歩を終えた近くの民宿に宿泊する観光客らでごった返し「砂まみれの床を1日に4回も5回も掃除すんのが大変だった」と振り返る。メニューはサンドイッチやグリルサンド、焼き肉やカレーライスなどの食事のほか、スイーツやビール等。PTAの会合や、趣味の集まりなどに利用され、地域の交流の場でもあった。
 「津波が来っから逃げろー」。東日本大震災が発生したあの日、店の外から避難を促す声がするのを聞いた。車に乗り込むと、防潮堤から海を眺める常連客の男性を見掛けた。「津波が来るってよ」、「なーにママは慌ててんだ」。笑顔の男性と別れ、避難所に向かった。およそ10日後、男性が津波の犠牲になったことを知った。
 震災前、地区には344戸に787人が暮らしていたが、地震と津波で約9割の家屋が全半壊し100人以上が犠牲になった。「みんなが身内みたいな関係だった。あのとき車に乗せていれば助かったのに」。自分を責め、1人になると涙がこぼれた。
 震災の翌年、亡き母の出身地の常磐湯本町でカフェを再開したが、入居する建物が老朽化のために取り壊すことになり昨夏に閉店。「このままで終わったんでは納得できね。(店名のサーフィンのように)元の場所に戻って、もう一回やってみっか」。
 店は、かつてのように黒い外観にした。「懐かしいって、立ち寄ってくれる人がいるとうれしい」。色とりどりの手芸品が飾られ窓から陽光が差し込む店内で、鈴木さんは以前と変わらぬメニューを用意。来客との会話を楽しみながら、町の再生を見守っていく。
 営業時間は11時から17時。定休日月曜日、第1・3日曜日。問い合わせは同店、電話0246(39)3081。

編集者: まのめ  日付:18年10月30日

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