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平二小で8年遅れの卒業式 東日本大震災で実施できず


8年遅れの卒業式で卒業証書を授与される新成人

 東日本大震災の影響で実施できなかった小学校の卒業式を、新成人となった当時の市立平二小6年生と保護者らが8年遅れで開く催しが12日、同校体育館であり、恩師らを囲んで門出を祝った。当時の卒業生102人のうち約50人が「卒業おめでとう」と印字された胸章を付けて出席。クラス代表が卒業証書を授与され、出席者は同級生や担任らと思い出話に花を咲かせた。
 関係者によると2011年、市内小学校の卒業式は3月23日に行われる予定だった。地震が起きた3月11日午後2時46分、児童らは同校体育館で行われていた卒業を祝う会の最中に被災。天井の一部がはがれ、飲み物を入れたコップが散乱、悲鳴が響き渡った。教師らとともに雪が舞う校庭に避難し、ビニールシートで体を包んで寒さをしのいだという。
 その後、東京電力福島第1原発事故が発生。卒業式は中止となり、卒業生らは翌4月、中学校の入学式後に小学校を訪れ、卒業証書を受け取った。「悔しかった」との思いを抱いた卒業生の1人で大学生渡辺壮さん(20)=東京=はいつの日か卒業式を開きたいと決意。実行委員会を組織し、多くの同級生が集まる成人式の前日に向け、保護者や学校の協力を得ながら準備を進めた。
 卒業式には当時の担任やPTA役員らも出席。卒業証書を手渡すはずだった校長は震災の後、亡くなったため、後藤幸一現校長が代役を務めた。後藤校長は式辞で、当時の校長が卒業文集に寄せた言葉を紹介し「感謝の気持ちを持ち、自分に負けないで」などと激励した。
 スーツなどに身を包んだ新成人の卒業生は、ピアノの伴奏に合わせ「旅立ちの歌」や校歌を斉唱。卒業生を代表して馬目夏子さん(20)が「小学校の卒業式ができなかったという思い出が、成人式を前に塗り替えられたことに喜びを感じている。今この時に、私たちは巣立ち、未来へと羽ばたいていきます」とお礼の言葉を述べた。
 教え子たちと記念写真に納まった、6年3組の担任だった鈴木章裕さん(現・好間中教諭)は「大きく成長した姿を見ることができてうれしかった。震災の経験に引きずられることなく、自分のことは自分でできる大人になってほしい」とエールを送った。
 卒業式に先立って行われた懇親会で、乾杯の音頭を取った、実行委員の1人で、大学生の浮須海斗さん(20)=東京=は「震災後、転校した人もいたので再びみんなで集まれてうれしい」と笑顔。教員を目指しており「いつか地元に戻って働きたい」と話した。
 「8年前に帰ってきた気分」。市内の介護士源ともかさん(20)は友人たちとの再会にうれしそうな表情をみせた。「卒業式に向けていろいろ練習したことができなかったことが残念だったが、成人式を前に良い区切りが付いた」と喜んだ。

編集者: まのめ  日付:19年1月30日

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